膝の内側の痛み:変形性膝関節症と診断された方が痛みをよく訴える場所 なぜ内側が痛むの?

ジョイントヘルス

膝の内側の痛み:変形性膝関節症と診断された方が痛みをよく訴える場所 なぜ内側が痛むの?

 

「膝の内側が痛む」

 

変形性膝関節症(膝OA)を発症した場合、ほとんどの患者さんが訴える症状です。

では、なぜ膝の内側が痛むのでしょうか。

 

その原因を知ることで、治療することもできます。

今回は、変形性関節症の中でも

❝膝の内側の痛み❞

にフォーカスを当てて記事を書きたいと思います。

 

内側が痛くなる原因は?

 

膝関節は、結合組織が重なり合い密集しています。

そのため、互いの組織の滑りが悪くなる「滑走不全」が起こると、

組織と組織の間で互いにストレスを与えやすい状態になります。

これが痛みの原因となることが多いです。

 

まずはどの組織が痛みを発しているのか特定し、

痛みが生じるメカニズムを推察しなければなりません。

痛みを発している組織を特定するには、何よりも精密な触診が重要になります。

 

膝関節の仕組み

 

膝関節の仕組みについて少しお話をしておきます。

 

膝関節は、脛骨(脛の骨)と大腿骨(太ももの骨)から成る

・脛骨大腿関節と膝蓋骨(膝のお皿)

・大腿骨から成る膝蓋大腿関節

の二つで構成されます。

 

脛骨大腿関節では、膝が伸びていく時に、脛骨が自然と外側に捻じれていきます(脛骨外旋)。

この動きをスクリューホーム運動と呼びます。

スクリューホーム運動によって真っすぐに伸ばされた膝は、逆に 脛骨が内側に捻じれること(脛骨内旋)によって曲がり始めます。

 

そして、脛骨大腿関節と膝蓋大腿関節の連動として、

膝関節の内・外旋と膝蓋骨の動きを理解することが重要になります。

脛骨外旋時に膝蓋骨は外方移動・内方傾斜し、脛骨内旋時に膝蓋骨は内方移動・外方傾斜します。

 

 

下腿外旋症候群

 

脛骨大腿関節の異常な動きとして、以下の状態がしばしば見られます。

  • 膝を伸ばす時の過度の下腿外旋
  • 膝を曲げる時の下腿内旋の不足

このような膝の異常な膝の捻じれを「下腿外旋症候群」と名付けました。

下腿外旋症候群に関してはこちらの記事で詳しく説明しています。

 

変形性膝関節症では、下腿外旋症候群が多く認められます。

この場合の治療では、まず下腿外旋を解消させて膝を曲げる時に十分な下腿内旋運動を回復させることが必要となります。

その結果、外側に向いた脛骨を正常な位置に近づけることが可能となります。

変形性膝関節症であっても、このような捻じれが正常化してくると、徐々に関節としての運動機能が改善されてきます。

 

膝関節における「リアライン・コンセプト」の方針は以下の通りです。

 

STEP1:リアライン(re-align)

・捻じれ(スクリューホーム運動)の正常化

・脛骨大腿関節の曲げ伸ばしの正常化

・膝蓋大腿関節の膝蓋骨の位置・動きの正常化

 

STEP2:スタビライズ(stabilize)

・捻じれ(スクリューホーム運動)のコントロールと安定化

・股関節、膝関節、足関節、足部との連動

 

STEP3:コーディネート(coordinate)

・問題となりやすい動作の再学習

 

症例紹介

 

変形性膝関節症と診断された患者さんの治療を2例紹介します。

 

【症例1

60代女性

変形性膝関節症(罹患期間5年)

 

治療プログラム

・下腿外旋の原因となる膝周囲の軟部組織に対する組織間リリース

・下腿内旋位での膝の曲げ伸ばし運動

経過

1回の治療によって、膝内反(O脚)の改善、可動域の改善が得られました。

その後、3回に渡る治療により歩行時の痛みが消失しました。

 

【症例2

40代女性

スポーツ:バレーボール

現病歴:特に膝を怪我したことはありませんでしたが、仕事や日常生活で左膝に痛みが出現。

医療機関受診後に落ち着いたものの、約1カ月半後に再び疼痛が悪化。

 

評価

・膝蓋骨の内側、外側、下側に腫れや熱感が認められました。

・膝の曲げ伸ばしの最後に膝蓋骨の内側と外側に痛みがありました。

歩行ではわずかに痛みましたが、階段下りで特に強い痛みがありました。

可動域は曲げ伸ばしともに痛みによる多少の制限がありました。

大腿四頭筋やハムストリングスといった太ももの筋力が低下していました。

また大腿四頭筋に力を入れた時に膝蓋骨周囲に痛みが生じました。

大腿四頭筋に力を入れた時に、著明な下腿外旋が認められ、膝蓋骨が外方傾斜していました。

MRIでは内側・外側半月板に病変が認められました。

 

治療プログラム

太もも外側のリリースにより、下腿外旋のアライメントを修正しつつ、膝が最後まで伸びるようにしました。

脛骨の後方への可動性が不十分であったため、内側のハムストリングス~腓腹筋間のリリースを丁寧に行い、

下腿内旋エクササイズにて、内旋可動域の向上に努めました。

 

経過

1回目の治療後には、膝の可動域が改善し、体重をかけない運動では痛みが消失しました。

2週間後には、スクワット時の痛みが消え、1カ月後には、バレーボールの練習に部分的に参加することができました。

2カ月後には、下腿外旋が改善され、膝の曲げ伸ばしの動きも問題なく行えるようになりました。

階段下りでは、痛みはなく違和感程度となりました。

 

 

まとめ

膝関節の捻じれ、特に外側への捻じれによって、膝の痛みや機能低下を引き起こしている症例は数多く見受けられます。

変形性膝関節症であっても、問題となる組織を特定し、適切に治療することで、症状の改善は可能となります。

 

この記事がお悩みの方のお役に立つことを願っております。

mailto:Lab@realine.info

 

 

 

 

 

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