産後に弛みきった腹筋に力が入らない、トレーニングしても腹筋がふにゃふにゃのまま
産後に腹筋に力が入れにくくなったと感じている方を治療する機会が多々あります。今回は、改善した患者さんの一例をあげて、なぜ腹筋に力が入らなくなるのかを含めて記事を書きたいと思います。
妊娠中の腹筋の状態
妊娠中には腹壁の伸張によって腹筋およびその周囲のファシア(fascia:筋膜など組織を包む膜)に損傷がおこり、腹筋間の癒着が起こると考えられます。
妊娠前から癒着があった場合は、悪化するというイメージです。この癒着は女性のみならず、男性にももちろん同じことが言えます。
癒着するとどうなるのか
癒着が生じるということは、腹筋群(腹筋群というのはいくつかの筋肉をまとめた呼び方です)のそれぞれの単独収縮が難しくなるということです。
特に腹横筋とよばれる筋は、腰椎や骨盤の安定や腹腔内圧のコントロールに重要な筋です。
治療した症例
周産期ケア勉強会というセラピスト向けの勉強会で、腹横筋と内腹斜筋とよばれる腹筋群の筋が癒着していた方を治療しました。
治療は組織間リリースという手技を用いて、この腹横筋と内腹斜筋の間の滑り(滑走性)を改善しました。
その結果、
「腹横筋の力が入れやすくなった」
と嬉しい報告を頂きました。
腹横筋に力が入らないと腰痛の原因となったり、腹圧のコントロールが難しくなります。
この記事が、上記の症状でお困りの方の助けになることを願っております。
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