喉がつまっている!声が出にくい!:内科的要因ではない喉の絞扼感の治療
風邪や内科的な疾患が特にないのに
長い間、声が出にくかったり、
喉が詰まるような絞扼感を感じることはありませんか?
生活に支障もなく、病気でもないとなると
そのまま放置してしまう場合が多い様に感じます。
今回は、このような症状がもしかすると
筋肉の問題かもしれないと感じている方向けに
記事を書きたいと思います。
目次
1.症状
2. 治療
3. 今後の展望:臨床での応用 まとめ
4. まとめ
1.症状:肩甲舌骨筋(omohyoid)という筋肉
肩甲舌骨筋(omohyoid)という筋肉をご存知でしょうか。
大腿四頭筋などのよく耳にする筋肉の名前とは違い
何と読むの?と一瞬考える方もおられるような
聞きなれない筋肉の名称かと思います。
私は、大学3年生の解剖実習で苦労して探索し、この筋を起始から停止まで追いかけたことがあります。
全身でも珍しい「二腹筋」ということで、よく記憶に残っています。
しかし、これまでの臨床で、この筋を治療対象としたことは一度もありませんでした。
筋断面積からしてもそれほど大きな役割があるとは考えられません。
2.治療
先日、あるFacebookグループにこの筋のことが紹介されていました。
胸骨舌骨筋の表層にあるので、この筋の表面を擦ってみたところ、
肩甲舌骨筋の内側縁にたどり着きました。
私は、以前とあるSNSでも書いたことがありますが、
大学生の頃から喉の絞扼感を感じており
大声を出すことが出来ません。
そこで、この筋の癒着が原因ではないかと推察し
リリース(癒着を剥がす)しようとすると
喉の絞扼感が再現され、完全に筋が滑走不全に陥っていることがわかりました。
そのままリリースを続けることで
確実に一段階絞扼感が軽減されました。
その奥に存在する
胸骨舌骨筋、胸骨甲状筋などとよばれる筋も
リリースしなければならないのかもしれませんが、一つ突破口が開いたように思います。
3.今後の展望:臨床での応用
先にも述べたように、この肩甲舌骨筋は
私が臨床で対象としたことのない筋肉です。
しかし、これらの筋や気管周囲の癒着の治療は、
「発声機能」を向上させる可能性があります。
それは歌手など、発声のプロフェッショナルのパフォーマンスを向上させることに繋がります。
日常的に喉の詰まりを感じている方や、
声量が低下した歌手などに応用できる可能性があるので
今後、少しづつ、このような症状の方を治療していきたいと思います。
この記事が皆様のお役に少しでも立てることを願っております。
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