骨盤が後傾した座り方。何が問題? 誰もがしがちな座り方に潜む、からだの不調の原因
骨盤が後傾した座り方。
ついついとってしまう姿勢ですよね。
「楽だから」という人も多いと思いますが、そもそもこの姿勢の何が悪いのか…
本当によくない姿勢なのか…
今回は、治療した1例をあげてご紹介します。
骨盤が後傾した座り方
あぐらや長座、体育座り、ソファーに座っている、車を運転している時などに骨盤が後ろに倒れ、
背中が丸まっていることはないでしょうか?
その姿勢を骨盤を後傾した座り方と今回定義します。
骨盤が後傾した姿勢が習慣化すると様々な問題を引き起こします。
その一つとして、長後仙腸靭帯痛と尾骨周囲・骨盤底筋拘縮があげられます。
長後仙腸靱帯は仙骨の後傾に対する制動作用を有しています。
このため尾骨が前方に引き込まれると緊張を増します。
別の言い方をすると、長後仙腸靱帯は骨盤底筋の単独収縮に対して拮抗する作用を有しています。
症例
セミナーの受講者でこの靱帯の痛みを主訴とするセラピストと遭遇しました。
尾骨が前方に引き込まれており、靱帯は強く緊張していました。
仙骨上部を前方に押し込むと、その緊張は低下し、痛みも軽減したことから、
仙骨の過後傾が問題であると推測されました。
大殿筋と仙結節靭帯や尾骨筋との癒着が確認され、さらには内閉鎖筋と腸骨尾骨筋の癒着がありました。
これらをリリースすると、尾骨は後方に移動し、長後仙腸靱帯の痛みは消失しました。
内閉鎖筋と腸骨尾骨筋の癒着の解消は、骨盤底筋の機能低下や骨盤底の様々な問題の改善をもたらします。
今回は、この癒着が仙腸関節痛の一因であることを推測させる症状の変化が得られました。
仙腸関節痛との関連
骨盤後傾位での座位は尾骨を前方に押し込むため、その周囲の癒着を作る原因になると思われます。
また尻もちなどの外傷の影響もあり得ると思われます。
仙腸関節痛の要因は数多くありますが、このような骨盤後傾に伴う内閉鎖筋と腸骨尾骨筋の癒着も
仙腸関節痛を引き起こす可能性があることを認識しておくことが重要ですね。
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