殿部の痛み、もしかしたら骨盤内部からからかも

ジョイントヘルス

生理中に殿部に痛みが起こる方がおられました。痛みを詳しく探してみたところ、坐骨神経といっしょに骨盤内から殿部に出てくる血管(上殿動脈)に痛みがありました。上殿動脈は骨盤内に入ると閉鎖動脈などと合流して内腸骨動脈に移行していきます。

生理中のみ痛いということは、子宮の変化に連動して上殿動脈に痛みが生じることが想定されるため,子宮の後外側に位置し,上殿動脈に分岐を出す内腸骨筋を探索する必要があると考えました。その結果,右内腸骨動脈は大腰筋と直腸との間で癒着しており,はっきりしたリリース時痛がありました。ご自身もへその右の奥に痛みを感じることがあったようで,通常の症状が内腸骨動脈の痛みに由来していたことがわかりました。

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前仙腸靭帯に対してS1神経根は癒着しており,ここにもリリース時痛が認められました。また仙腸関節の下方に回り込むと坐骨神経と上殿動脈がともに関節包に癒着していました。これまでの研究から,仙腸関節耳状面の前下方にストレスが集中することを見出してきました。おそらく前下方へのストレスは前仙腸靭帯の下方に炎症を引き起こし,それに坐骨神経や上殿神経が絡み付きやすいのではないかと推測されます。

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