股関節の屈曲制限:脂肪体の癒着

ジョイントヘルス

股関節の屈曲制限

股関節の動きが良くない…

と感じたことはありませんか?

「痛みはないが股関節が90°以上曲がらない」

「時々つまりや痛みを感じるが、日常生活はできる」

などの訴えはよく耳にします。

 

そこで、セラピストの皆さんはどのように原因を探るのでしょうか。

 

今回はセミナー終了後に、股関節屈曲90度程度と制限の強いセラピストの治療をする機会がありましたので

ご紹介します。

年齢はおそらく20代後半で,学生時代から徐々に制限と違和感があったとのことでした。

股関節の屈曲制限因子

股関節の屈曲制限因子として皆様はどのような項目を思い浮かべるでしょうか。

今回治療した患者さん(セラピスト)の主訴は、

「股関節前面につまりがある」

でした。

この主訴を頼りに

・大腿直筋反回頭と関節包のリリース

・腸骨筋と腸骨関節包筋・股関節関節包とのリリース

・腸骨関節包筋と股関節関節包・脂肪体とのリリース

などを行いました。

その結果は5度程度の僅かな改善しか得られませんでした。

 

次に下図の赤色の部分にある脂肪体を関節包(関節唇のあたり)からリリースしたところ、

なんと可動域は130度にまで改善しました。

 

はっきりしたことは言えませんが

おそらく関節唇損傷後に脂肪体の癒着が起こり、そのまま放置されたのではないかと想像します。

拘縮が起こったため、関節唇へのストレスは回避され、拘縮状態のみが残ったということなのかもしれません。

 

脂肪体の重要性に関するエビデンス

大腿骨寛骨臼インピンジメントの身体および画像所見を示す症例を、実際に関節鏡で確認すると、

骨のインピンジメントが認められる症例と、骨のインピンジメントはなく、

脂肪体が挟み込まれている症例が存在することが報告されています。

 

また、股関節前面の痛みを訴え、パトリックテスト陽性、スカルパ三角の圧痛があり、

一見関節内疾患があるような患者においても、実際に関節鏡で確認すると

脂肪体変性を含む関節外の病態が多く認められています。

そして、関節内病変や関節唇損傷などがある場合でも関節外病態のデブリドマンのみを行うと、

術後に症状が大幅に改善されることも報告されています。

股関節の脂肪体の重要性についてこれまであまり議論がされていませんが、

明らかに股関節の疼痛や可動域制限の要因となるようです。

 

脂肪体深層のリリースは、これまでの治療に含んでいなかったので、

今後気をつけて見ていきたいと学んだ1症例でした。

 

 

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