繰り返す捻挫~慢性化した痛み~
「小学生の頃、足首を捻挫して、骨がずれたと言われた。
大人になった今も痛みはないが、足首の動く範囲が左右で差がある。」
「部活中に軽い捻挫をした。その時は大したことないと思ったが、軽い痛みがずっと残っている」
セラピストは、このようなエピソードを多く耳にすると思います。
今回は、そんな慢性的な痛みに関して
・そのままにしておくことの危険性
・治す方法がある
と伝える為に、足首の捻挫を例にして私の経験を元に記事を書きたいと思います。
放置することの危険性
足首の捻挫など関節疾患は、最初は軽症であっても、しばしば頑固な可動域制限(拘縮)、
慢性化した痛み、筋力低下などの機能低下、そして不安定性などが混在した慢性化した状態に陥ります。
足首の捻挫は,大した怪我ではないと認識されていることが多いのですが、
約20%は慢性的な不安定性を残すとも言われています。
医療機関でも特効薬は示されず、それらの症状と付き合いながら日常生活・競技生活を
続けざるを得なくなります。
その結果、パフォーマンスが低下していくと徐々に「引退」の2文字が思い浮かぶようになってしまいます。
さらに、引退後にもこのような慢性疾患の影響は及び、
アスリートは一般の人に比べ変形性関節症の発症が早かったり、発症率が上がったりすると言われています。
セラピストの取り組み
多くのアスリートが慢性化した関節疾患に苦しんでいるため、
私たちはこのような慢性化した関節疾患をしっかりと治すこと、
またそれを予防することを常に意識せざるを得ない状況にあります。
関節疾患を引退理由にはさせないように、という願いを持って治療に取り組んでいます。
特に軟骨がどう仕様もない状態になっている場合を除けば,、
何とかできる」と信じて治療を進めます。
我々が諦めれば、それで解決の道は閉ざされてしまうためです。
慢性化した関節疾患を治療する時は
①確実に可動域制限を完全に解決すること
②可動域制限とともに、関節のかみ合わせが崩れた状態(かみ合わせが悪い)を完全に解決すること
③これら二つの原因となっている筋肉や腱などの癒着を完全に解決すること
を徹底的に追求します。
これらは運動療法では解決できないことも十分すぎるほど経験してきました。
このため、運動療法以外の方法として,組織間リリースを発展させざるを得なかったという経緯があります。
関節疾患をこじれさせないこと、また一旦慢性化しても必ず解決策が有ること、
を現場で選手のケアに当たるトレーナーや治療家の皆さんには知っていただき、
それを実践していただけるように環境整備を進めたいと考えています。
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