ハムストリングスを伸ばしたい!

ジョイントヘルス

ももの裏を伸ばしたいのだけど、どうにも上方(臀部)の方に痛みがあってうまく伸ばせない…

という症状に取り組みました。競技特性上、ももの裏つまりハムストリングスを不自由なく、

また躊躇なく伸ばす必要があるため、100点満点の治療を目指しました。

どこが原因?

まず、坐骨神経と大腿方形筋、内閉鎖筋、梨状筋などの一般的にもよくみられる癒着のリリースを行いましたが、

症状はなかなか改善しませんでした。

症状を頼りに、探っていったところ、以下のようなリリースが必要でした。

1)坐骨神経の神経鞘内(上双子筋付近)で、脛骨神経と総腓骨神経をリリースするとともに、それぞれの側方への滑走性を改善。

2)内閉鎖筋、上双子筋、下双子筋を坐骨外側からリリース。

3)内閉鎖筋の内側で仙結節靭帯および肛門挙筋、尾骨筋からリリース。

以上のような大きな組織のリリースが完了してもまだすっきりしないので、

さらに探索したところ以下のリリースが必要でした。

4)陰部神経が内閉鎖筋上で外側に偏位していたので、内側に移動させるようにリリースし、閉鎖孔後面に滑らせました。

5)坐骨神経よりも内側で、上双子筋と内閉鎖筋の表層に癒着していた後大腿皮神経をリリース。

6)内閉鎖筋の深層で、坐骨外側上に神経を発見。この神経と内閉鎖筋、上・下双子筋との間をリリースして筋を開放するとともに、

神経を骨からリリース。おそらく大腿方形筋を支配する神経。

今回、ハムストリングスのストレッチを制限していた坐骨付近の痛みは、このような深層にある神経の癒着が原因であったようです。

今後の方針

上記のプロセスを通じて、上記全てがStraight leg raise(SLR)、股関節屈曲制限の因子となることがわかりました。

スポーツによっては、どうしてもハムストリングを伸ばさなくてはならない、

股関節屈曲の可動域を最大限に獲得しなければならない場合があります。

そういう時には、上記のような組織を丁寧に触診し一つ一つ確実にリリースする必要がありそうです。

 

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