「あばら 出てる!」肋骨が突き出ているという悩み
「肋骨が突き出ている」という悩みをお持ちの方に時々お会いします。
痛みが生じることは少ない様ですが、それでも美容的な観点からみると
女性にとっては悩ましい状態ではないかと思います。
先日、20代の女性で、幼稚園の時から左の肋骨が突き出ているのが気になって、
何よりも強いコンプレックスを持っているという人に出会いました。
「他の部位にも気になることはあるが、肋骨が一番キライ」と言い切るくらいに。
それが治療対象になるかどうかも分からず、相談できる人もいないとのことでした。
この記事を書いている理由は「肋骨の突き出し」は対処可能であり、改善可能であることを知ってもらうためです。
「肋骨が突き出ている」とはどのような状態なのか
この「肋骨が突き出ている」状態をrib flareと言います。
脊椎などの変形がなく、胸郭が突き出した状態を、私は胸郭の屈曲拘縮と捉えています。
つまり、円背姿勢や胸郭屈曲位で胸郭前面が固定され、伸展可動域を失った状態と理解することが出来ます。
屈曲拘縮なので、治療方針は胸郭前面の伸展可動域を広げることになります。
胸郭の変形にはいくつかの種類がありますが、比較的多いのが下のような写真の状態です。
中位胸郭が屈曲拘縮を起こしており、前方に突き出しています。
ご本人も、子供の時から気になっていたそうで、出産後にはさらに悪化しているような気がするとのことでした。
成長期以前に起こった変形だとすると、骨の形態的な変化も伴うことから完全な「リアライン」は難しいのですが、
それでも胸郭周囲の皮下組織、広背筋、長胸神経、胃と横隔膜の癒着などをリリースすることにより、
ある程度の矯正は可能と考えられます。
どのようなことで困るの?
背骨がS字にカーブする側弯症によって肋骨全体がねじれたようになり、突き出すことがあります。
漏斗胸に合併することもあります。
そのような変形がなくても、円背姿勢の習慣があると、内臓が肋骨を前方に押し出し
跳ね上がったような状態が作られます。
その状態で、皮下組織や肋骨の外側にある長胸神経や広背筋の癒着、
そして肋骨の内部にある胃と横隔膜の癒着などでその状態が固定されていきます。
さらに、女性の場合は妊娠時に子宮の拡大によって胸郭は外に押し広げられ、
この胸郭の突き出しを作ることもあります。
出産後には、子宮は小さくなりますが、この胸郭の変形はそう簡単には戻りません。
そして、産後体型ができあがり、永久に妊娠前の体型に戻らなくなってしまいます。
審美的な問題だけでなく、胸郭の伸展制限、腰椎へのストレス増加、内臓への不要な圧迫など、いろいろな問題関連することがあります。
特に、胃と横隔膜との癒着はこのような胸郭マルアライメントを固定化し、
場合によっては胃腸の症状を強めることもあるようです。
胃の痛みで食べらられない、という悩みもここのリリースで解決されることも珍しくありません。
下の写真は、これまで得た前後比較の中ではかなり上出来です。
胸郭の屈強拘縮が改善するとともに、腰椎前弯が軽減して背臥位が楽になったそうです。
このような胸郭の変形は、産前・産後に限らず悩む人がいるようです。
今回のこの記事が少しでも悩みのある方の助けになると嬉しいです。
ご質問等や治療をご希望の方は
まで一度ご連絡下さい。
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