尿もれを治す! 膀胱、尿道、骨盤底筋のどこから手を付ける? <対談Vol.4:柴原理恵 X 山上未菜子>

ウィメンズヘルス

尿もれを治す! 膀胱、尿道、骨盤底筋のどこから手を付ける?

〜尿もれを改善する方法〜

産後に限らず悩んでいる方が多い尿もれ。どこに行けば解決するのかわからず、相談もしにくいと思います。尿もれに対してどのように考え、どのように改善するかをお伝えします。今回、お話を聞いてもらいながら簡単にできるストレッチを紹介しています。

第4回目となる今回は、尿漏れについてお話します。悩んでいる方は意外と多いのではないかと思います。

ICIQ-SFという世界共通で使われているチェックリストがあります。

この中の一部に尿もれの状況という項目があります。 トイレに間に合わないのを切迫性と言ったり、咳やくしゃみが腹圧性と言われたり、それが混ざっている方は混合性と言います。寝ていたり体を動かしたりした時にじんわりと漏れることを溢流性と分類されています。過活動膀胱っていう言葉も最近テレビとかでよく聞くと思います。

色々な分類の仕方がありますが、私たちが行っているファッシャケアで改善の経験が増えてきたので、まずはどうしたらいいのかをお話ししてみようと思います。

 

~骨盤底筋~

ハンドタオルをご用意していただきます。これからお話を聞いていただいている間にストレッチをしていこうと思います。早速このタオルをくるくるとおしぼり状に丸めていただき、置いておいてください。

ストレッチをするのは骨盤底筋ですが、硬いと締まらないのでストレッチをしたいと思います。タオルを使う場所が骨盤底筋です。骨盤底筋の目印になる骨を一緒に確認したいと思います。

恥骨:おへそからまっすぐ下ろしていって触る骨が恥骨です。

坐骨:座ったままお尻の下に手を敷き込むと、手が痛く感じる骨があります。それが坐骨です。

尾骨:最後尾骨は便を拭くように手を下ろしていってコリッとする尻尾の骨です。

恥骨・坐骨・尾骨わかりましたか?ここの中に骨盤底筋が収まっています。今触っていただいた四つの骨の間に骨盤底筋があります。

ここでさっき作っていただいたおしぼりを恥骨と尾骨の間に縦に入れて座ってください。わかりにくかったら、二つの坐骨の間に入れば必ず当たるので、その上に乗ってください。痛くないですか? 坐骨と坐骨の間におしぼりがあって実際何かに触れているなって感じるのが骨盤底筋です。

 

~エクササイズの方法~

ではこれから10分くらいエクササイズをやってみましょう。痛みが出るようだったら中止してください。

効果を感じていただくために、収縮感覚を試してみたいと思います。最初は尿道括約筋、尿を我慢するようにギュッと締めてみてください。次は肛門をギュッと締めてみてください。真ん中の膣は、わかりにくいという方が多いかもしれませんが、ギュッと締めてみてください。どうでしょう。全部一緒に締まってしまうという方もいるかもしれませんが、最初の感覚として覚えておいてください。

 

~尿漏れの原因~

尿漏れが起こる原因は主に3つ考えられます。

原因の一つとして挙げられるのが膀胱の容量です。膀胱が広がらないのが問題で、小さいとたくさんの尿をためられないのですぐ満杯になって頻尿になったり、おしっこしたいなというセンサーが働くのでためづらくなってしまいます。

二つ目が骨盤底筋、今タオルを敷いてもらっているところですが、14くらいに分類できるのですがざっくりと骨盤底筋がかたいことが原因の一つになります。かたいと締められないのでとても大事なポイントになります。

最後に括約筋。さっき収縮感覚を感じてもらった尿道括約筋で最後の砦です。この筋肉が他の組織と癒着してしまうと働きづらくなってしまって必要なときに必要な機能が働かないというのが三つ目のポイントです。

では、どうしたらいいのでしょうか?

 

~治療の考え方~

①骨盤底筋は柔らかくしてあげましょう。                   
 今行っているストレッチも骨盤底筋を柔らかくするために行っています。

②膀胱を大きくしてたくさん尿をためられるようにしてあげましょう。

③ためた尿を出したり止めたりする括約筋が効くようにしましょう。

以上の3つが治療の考え方になります。

骨盤底筋がストレッチできたとして、他の問題を実際私たちがどうしているかというと、ファッシャケアを行っています。

ファッシャケアについて詳しく知りたい方は、以前のセイリ痛にファッシャケアあなたのお腹を元に戻すファッシャケアの時にお話ししているので、そちらをご覧いただければと思います。

 

~施術を受けた方のコメント~

「病院に行こうか悩んでいたが施術を受けて、もう行かなくてもいいかな、と思っている。(1回の施術)」

「せきやくしゃみをしても、子供と縄跳びをしても、もれる心配がなくなりました。」

「走ると不安があったが、気にならなくなった。」

「夜必ずトイレに起きていました。でもケアの後はぐっすり休むことができます。」

「じわっともれるので、フリースボトムを選んでいました。もれなくなってからは匂いも気にならなくなり、スカートも履けています。」

これは症状が消えた後の未来の話です。生活を変えるっていうのが私たちの仕事なので、着るものを気にしたり匂いを気にしないで過ごせるようになるって大きなことですね。ということで、諦めないでファッシャケアを受けていただきたいですね。

 

~ファッシャケアが必要か否か~

それでは、ストレッチが終了になります。タオルを外してください。さっき確認した収縮感覚が変わったか確認してみましょう。

まず一番前の括約筋ですね。おしっこを我慢するように力を入れてみてください。 

次は肛門を締めるように力を入れてみてください。

最後に真ん中を締めるように力を入れてみてください。

柔らかくないと鍛えられないので、ストレッチをして緩めてあげることが大事になります。 感じは変わりましたか?あまり変わらないという方は、膀胱の大きさだとか他の骨盤底筋の癒着などがあると考えられるので、ファッシャケアの出番かなと思います。

このストレッチは継続してやっていただきたいなと思います。車の運転中やリモートワークの時間などをうまく活用してみてください。痛みが出たらやめてください。時々チェックのために乗ってみるのもいいと思います。



もっと詳しく知りたい方へ

■ 組織間リリースを用いた治療法を学びたい方のためのオンラインセミナー(医療関係者向け) KOKOKARA.online
■ 対談されたYouTubeビデオはこちら
■ 山上未菜子先生のファシアケアはこちらから
■ 柴原理恵先生のファシアケアはこちらから

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