ごはんのにおいが耐えられない。
お腹がすくと気持ち悪い。
なんかよく分からないけど吐き気がする。
ツライつわり…終わりのみえない戦いを少し楽にする方法
産後ケアを専門とされる山上未菜子(理学療法士)と柴原理恵(鍼灸師)のお二人によるYouTubeチャンネル“九つ半にどがんね”7回目において、
『辛いつわりを軽くする方法』について話されました。
内容は下記にまとめてありますので、是非ご覧ください。
はじめに
clubhouseという音声のみのSNSで女性の体の不調について話をさせてもらっているのですが、そこでつわりで悩んでいる方が多くいらっしゃいました。今回は急遽予定を変更して『つわり』についてお話しさせていただきます。
つわりありましたか? 一人目より二人目、三人目と、どんどん強くなっていった方や妊娠後期になっても胃のむかつきが残っているいうお話を聞きました。
今回私たちは、鍼灸師や理学療法士として『つわり』をみるときの、臨床での経験をお話ししようと思っています。
つわりとは?
だいたい妊娠16周目くらいの胎盤が完成する頃がピークで、その後だんだん落ち着いていくことが多いようです。早い人は妊娠初期からあります。
妊婦さんの中でも6〜8割くらいの方に軽症も含めて経験したことがあると言われています。症状としては嘔吐、食べられない(食欲不振)です。
原因は?
実は原因がはっきりしていなくて、精神的な要素、いろいろなホルモンの影響、ヘリコバクターピロリ菌の感染などと言われています。
「つわり」のみかた
ポイントは、姿勢とつわりです。右側の女性の姿勢が悪いなっていうのはわかると思うのですが、姿勢が悪い人につわりが多いと感じていて、それを皆さんに説明していきます。
妊婦さんの姿勢を見てみましょう。胸とお腹の間に矢印を入れてみたものです。ちょうどそこが『く』の字になっていて、お腹が大きくなるから、寝ようが立とうが座ろうが、どの姿勢でも『く』の字になっていて、『く』の字の一番角度のついているところに胃があります。専門用語でいうと『胸郭の屈曲拘縮』という状態です。
背中が丸くなり、下から赤ちゃんが大きくなってくるので、肋骨の下のところでどうしても狭くなってしまいます。角度のできるちょうど真ん中に胃があるので、狭くなって胃が圧迫されているのかなと考えています。
ではどうしたらいいのか?
狭くなったみぞおち部分を緩めるようにしています。『開く』の『く』のところが開いて欲しいところになっています。私たちは、手で皮膚や筋肉をそっとリリースし、『く』の部分を広げてあげるようにケアをしています。
簡単なセルフケアをご紹介
胸の前を伸ばすストレッチをします。背中の二枚の羽のような骨(肩甲骨)の間にペンがあって(実際にはなくていいので)肩甲骨でペンを挟むようにイメージをしてください。そうすると、肩が後ろに引けて胸が張れます。
そうすると『く』の字のところが広がります。そのときに、肘だけを引くのではなくて、肩甲骨の間でペンを挟むようにイメージします。手のひらを外に向けるようにすると、より胸の前が広がります。
胸を張る時間は2~5秒、それを1日に20-30回繰り返します。まとめてやろうとせず、生活の中に自然に組み込むようにして、胸を張る仕草を「くせ」にすると良いと思います。
歯磨きのとき、お風呂のとき、トイレは絶対に複数回行く生活動作に入れたらいいかなと思っています。簡単なので是非やってみてください。
実際のケアの手順
体調不良で入院中の方で、病院にお邪魔をしてケアを受けている方がおられます。一週間に体重が3kgくらい減るペースで、一年で何度も入院された方です。みぞおち部分が固まったようになって、姿勢が『く』の字がになっておられました。
みぞおち部分を押し込むと苦しいので、スポンジを潰さないくらいの弱い力で、皮膚や筋肉の癒着に対してそっとリリース(ファシアケア)をしました。胃の不快感やむかつきが起こらないように行うことが重要です。
ケアの後、『く』の字の角度が少しなだらかになり、みぞおちが伸びることができてきました。胸をお腹の間に肋骨のエリアがしっかりと確保され、赤ちゃんのスペースが拡大してきました。
ケアの後には、お昼ご飯が食べられたとメールをいただきました。その効果は3日くらい続いたそうです。3日くらいでは短いと思われるかもしれないですが、つわりの間は毎日辛いので3日間でも快適な生活が送れると、希望の光が見えてきます。特に、入院中の方は短いスパンでケアをします。
入院までいかないとか、ケトン体が出ていない方は『く』の字の進行具合(赤ちゃんが大きくなる具合)で毎月触らせてもらっています。このようなつわりに苦しんでいる方には、「諦めないでね」と言っています。まずは『こんなことができる』ということを、知ってもらいたいなと思います。諦めないでファシアケアを受けてみてください!
もっと詳しく知りたい方へ
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