異常なまでの少食の正体は胃の癒着
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食べたくても食べられない、という悩みを持つ人は意外に多いようです。
先日、名古屋を訪問した際、6名ほどのうち何と半数である3名がこのような胃の不調を抱えていました。
しかも、子供の時から長期間に渡っており、改善の見込みがまったくないという状態が続いていたようです。
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■産後39kgまで痩せた女性
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2回の出産経験のある女性は、子どもの頃から少食だったそうです。特に2回目の出産後には39kg(身長158cm)まで痩せてしまうほど、食事には苦労されていました。
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それ以外には、
・膨満感でほとんど食べられない
・胃のあたりに常に痛みがあり、食べると増悪する
・食後呼吸が苦しい
・検査をしても異常が見つからない
などの胃の周辺の問題がありました。
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加えて、
・薬を飲み込めない
・水の一気飲みができない
・麺類をすすれない
といった嚥下障害とも言えるような症状が子供のことから常にあったということです。
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胃の周辺を探ってみたところ、以下のことがわかりました。
1)大網が前腹膜などと癒着して緊張し、胃を下方に引き下げている
2)胃の入り口である噴門、出口である幽門が硬い。噴門の硬さは胃酸逆流の原因、幽門の硬さは消化物の移動制限の原因となり得る。
3)胃および小腸深部の後腹膜が強く緊張しており、さらにその深部にある交感神経に触れると頭痛、胃痛、背部痛などが誘発される。
4)胃体部(左側)が左胸郭の深部に引き込まれており、強く癒着している。横隔膜、胃、後腹膜などが癒着により一塊となっている。
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主な治療ターゲットは、
1)大網・前腹膜の癒着の解消(腹壁の張りを軽減)
2)小腸の上方への移動(後腹膜の弛緩)
3)噴門と幽門の機能回復
4)胃全体の周囲のリリース(前面、後面、肝臓側、横隔膜側)
5)腹腔内、頸椎レベルの交感神経のリリース
でした。
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特に苦戦したのは、胃の左側における横隔膜との癒着でした。癒着のレベルが強いのとともに、指が入りにくくリリースにとても難絨しましたが、なんとか胃を左胸郭の後面から右方向に引っ張り出すことができました。
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まだ完全に正常になったわけではありませんが、確実の症状は改善に向かっているようです。その後の経過はまた別途お知らせしたいと思います。
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